星々の輝きを君に

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 いったいどこで終戦の調印式を行うか。それが一番の問題だった。
「プラントでは、地球連邦の者達が行きたがるまい。かといって、月ではプラント側が難色を示すか」
 さて、どこがいいか……とミナが視線を向けてくる。
「ユニウスセブンの一部が発見されている、そこがいいのではないかな?」
 オーブ本土でもいいのだが、ブルーコスモスを完全に排除するのが難しい。ウズミはそう言った。
「セイランも、最後の悪あがきをしかねん」
 全く、と思わずため息をついてしまう。
「それだがな」
 にやり、とミナが笑った。
「ギナ達がおもしろいものを見つけてきたぞ」
 言葉とともに彼女は一枚のデーターカードを差し出してくる。
「これを使えば、セイランを徹底的にたたきつぶせるはずだ」
 一番の功労者はキラらしいが、と彼女は続けた。
「そうか」
 彼女ならば、そのくらいするだろう。
 しかし、だ。いったいあちらで何をやっているのか、と思う。
「ユウナが自爆したそうだ。それでカナード達だけではなくキラも怒らせたのだろう」
 だから、彼らも彼女を止めなかったのではないか。そう言ってミナはさらに笑みを深める。
「本当に何をしたのか。是非とも聞きたいものよ」
 後でギナに確かめておこう。その言葉にウズミもうなずくしかできない。
「全く。あちらに置いておいたのはよかったのか、悪かったのか」
 ブルーコスモスに身柄を確保されなかっただけでもいいのかもしれないが、と続けたのはカガリだけではなくキラもたくましくなって帰ってきそうだから、だ。
「よかったのではないか? 少なくとも、婚約者殿との親交を深めることはできただろうしな」
 いろいろな意味で、とミナが言い返してくる。
「あの四人だけではなく、ギナがいても逃げなかったのだ。かなり見所がある相手なのだろうし」
 是非とも実物に会いたい。その言葉の裏に別の意味が隠されているような気がするのはウズミの錯覚ではないだろう。
「破談にならない程度にな」
 それこそ、キラがかわいそうだ。そう続ければ、ミナはすぐに「大丈夫だろう」と言い返してくる。
「ギナが攻撃をしていないようだからな」
 キラの兄たちが認めても、自分が認めないようなら仲を壊すに決まっている……と彼女は笑みに苦いものを混ぜた。
「本当。あれが私の双子の弟でなければ、な」
 もっとも、性格があれではキラが不幸になるだけだろうか。その言葉にウズミはノーコメントを貫くことにした。

 三陣営の話し合いの結果、調停式はユニウスセブンで行われることになった。
「わたくしも、それに参加しなければいけません」
 ラクスはため息とともにそう告げる。
「もうしばらく、一緒にいられると思っていたのですが、仕方がありませんわね」
 自分の立場上、と彼女は続けた。
「なに。終わったらまた顔を合わせられるだろう。少なくとも、私とギナ様も同行はする」
 もっとも、式典に参加できるかどうかはわからないが……とカガリが言い返す。
「でも、キラはいませんわ」
「それはあきらめろ。あいつはあまり表に出したくない」
 連れて行くと、別の意味でかなりやっかいだぞ……とカガリは苦笑を浮かべた。
「と言っても、いつまでもここにお世話になっているわけにはいかないし、かといって、私がいないときに本土に戻したくないし……」
 どうするべきか、と彼女は悩むような表情を作る。
「いっそ、サハクの本拠地に預けるか」
 カナードとムウが一緒ならば安全だろう。彼女はそう呟く。
「どちらですの?」
「宇宙ステーションだ。戦争で中断ている軌道エレベーターの宇宙側の起点になるはずだった」
 そこならば、キラも不審に思わないだろう。
「いっそ、おじさま達もそちらに向かってもらおうか」
 相談次第だな、と彼女は締めくくる。
「それならば、式典の後にお邪魔させていただけそうですね」
 にっこりとっほえみながらラクスはうなずく。
「アスランは早々に本国に戻ってもらえばいいですもの」
 こちらも根回しをしておこう。そう心の中で付け加えるラクスだった。


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最遊釈厄伝