「あっ……あぁっ……」 自分の体の下で、キラの白い体が身もだえている。その仕草に、アスランは自分の中心がさらに熱を帯びていくことに気づいていた。 今までは、それをキラの指が解放してくれていた。 その事実に不満があったわけではない。 だが、いつでもその体の内に自分を刻みつけたいと思っていたことも事実だ。 「キラ……」 しかし、自分の思いのまま突き進んでは、キラの体を傷つけてしまう。 どう考えても負担はキラの方が大きいのだ。だから、どんなに自分が切羽詰まっていてもきちんと準備をしてやらなければいけない。アスランは耳にたこができるくらいミゲル達にそう言われていた。 それだけではない。 ミゲルはご丁寧に、そのために使うモノまで渡してくれたのだ。 「……冷たいかもしれないけど、我慢していてね」 キラが理解してくれているかどうかはわからない。それでもこう囁くと指に潤滑液を絡めた。そうして、そのままそうっとキラの後ろに触れる。 「ひゃっ!」 びくんっときらのからだが大きく跳ね上がった。それを、アスランは自分の全身で押さえ込む。 「我慢して、キラ……お願いだから……」 傷つけたくないんだ……と囁きながら、そこを十分に潤す。同時に今の刺激でほんの少しだけほころんだ場所に指を滑り込ませた。 「ひっ……ひぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 アスランの肩にキラが爪を立てる。しかし、その痛みもアスランには気にならない。 「力抜いて、キラ」 そうすれば、慣れるから……と言いながらも慎重にアスランは指を蠢かす。同時にキラの意識を少しでもそらそうと、身をかがめるとその中心にキスを落とした。 「……ぁっ……」 その瞬間、ほんのわずかだがキラの体から力が抜ける。 「そう、上手だね」 キラの中心から唇を離すことなくアスランは囁く。それもキラにとっては刺激になるのだろう。嫌々をするように首を振っている。だが、アスランの指を飲み込んでいる場所はさらに柔らかくなっていた。 「指、増やすよ」 言葉と共に、アスランはもう一本そこに指を滑り込ませた。 「いっ!」 「痛くないだろう? ね?」 キラに暗示をかけるようにアスランはこう口にする。同時に、口の中のモノに少しだけきつめの刺激を加えた。 「ふぁっ!」 痛いのか、それとも気持ちいいのか。 どちらとも取れるような声をキラは漏らす。 だが、そんな些細なものでもアスランの行動をさらに大胆にさせるには十分だった。 ただ慣らすための動きから、キラの快感を煽るための動きへと変化させていく。 「あっ……あぁっ……」 キラの薄い胸が激しく上下している。だが、まだアスランの指は彼の弱みを見つけられないでいた。その事実をもどかしく思いながらも、さらに内壁を刺激していく。 「やっ! アスラン!」 その指先がある一点をひっかいたときだ。今までとは比べものにならない反応をキラは見せる。 「ここだね、キラ」 気持ちいい、と囁きながら、アスランはそこを執拗に刺激した。同時に、キラの反応を確認する。さすがに、自分もそろそろ限界に近いのだ。 だが、まだ彼のそこはせまい。 このままでは、まだ傷つけてしまいそうだ……と必死に自分を戒める。 「アスラン、アスラン……」 そんなアスランの努力を無駄にしようとするかのように、キラが彼の名を繰り返していた。それだけが自分を救ってくれると考えているかのようだ。 「……本当に……」 アスランは体の中の熱を少しでも散らそうとするかのように息を吐き出す。 「俺を煽って楽しい?」 無意識だからこそ、余計に厄介なのかとアスランは心の中で呟く。 「……ね、アスラン……も……」 だが、実はわかっていての言葉だったらしい。 「キラ……」 「アスラン、早く……」 アスランの呼びかけに、キラははっきりとした口調でこういった。 「知らないぞ、俺は」 言葉と共にアスランはキラの内から指を引き抜く。その代わりに熱くたぎっている自分の欲望をそこに押し当てる。 「力、抜いているんだぞ、キラ」 声をかけると共に、アスランはゆっくりと自分をそこに沈めた。 「くっ……」 きついほどの締め付けに、すぐに動きが止まってしまう。そんなアスランの下でキラもまた何かに耐えるように唇をかみしめている。そんな彼の表情すら、アスランを煽ってくれた。 「愛しているよ、キラ」 最後の理性を振り捨てて、アスランは一気に根本までキラを貫く。 「あぁぁぁぁぁ!」 キラの悲鳴が、室内にこだました。 ともかく、ようやく初夜か……長かったねぇ、アスラン(苦笑)ということは次回あたり最終回かな? |