「あっ……」 胸の飾りをそうっと唇で挟めば、キラが小さな声を漏らす。 しかし、それは甘いと言うよりもとまどいから出たものだ、と言っていい。 「……キラ……」 それでも、アスランには嬉しいものだった。 自分が与えた刺激でキラが何かを感じてくれている。それだけで、今はいい……と思う。それから先のことは、二人でゆっくりと見つけていけばいいのだから。 「ここにいるのは、俺だけ、だろう?」 それでも、声を漏らしてしまったのが恥ずかしい……という素振りを見せるキラが、唇を咬みきらないように……とアスランは声をかける。 「だから、声を殺さなくていい」 自分も、キラが声を出してくれた方がいいから……と付け加えれば、彼は少し困ったような視線を向けてきた。 「でないと、キラが気持ちいいのかどうか、わからないから」 自分だって、経験があるわけじゃない。 だから……と言えば、キラは納得をしたのか、小さく頷いてくれる。 その事実に安心をして、アスランは再びキラの肌をたどり始めた。 「あっ……んんっ」 そのたびに、キラの唇から密やかな声がもれる。その声がアスランの《男》を刺激しているとキラは気づいているだろうか。 それとも、同じ男にこんな事をされていやなのか……とアスランは少しだけ不安になる。だが、キラの手はアスランの体を押しのけようとはしない。むしろ、自分自身に引き寄せるように腕を絡めてくれている。 「……アスラン……」 そして、その唇からは、少し荒くなり始めた吐息と共にアスランの名がこぼれ落ちた。 「何?」 どうしたの? とアスランは囁き返す。しかし、その唇はキラの胸の飾りから離れているわけではない。そのせいで不規則に当たるアスランの歯と唇がキラにさらなる刺激を与えているらしい。彼がこくりっとのどを鳴らすのがアスランにもわかった。 「……僕、だけなんて……」 いやだ……とキラは口にする。 それが何を意味しているか、アスランにもわかってしまった。だが、今のキラの姿だけでもアスランには十分だと言っていい。 「大丈夫だよ、キラ……キラがそうしてくれているだけで、俺も気持ちいいから」 言葉と共にアスランはそうっと体を上へと移動させた。そして、熱くなりかけている自分自身を、同じように形を変え始めたキラのそれへと擦り合わせる。 「あぁっ!」 この刺激に、キラは初めて甘い声を漏らす。どうやら、この刺激が気に入ったらしい、とアスランは判断をした。そして、さらにきつく腰を押しつけると、何度もそれをすりあわせた。 「どうしても、って言うなら……俺のとキラのを一緒に手で包んで?」 自分と一緒に……とアスランはキラの耳に軽く歯をたてながら囁く。 今日はそれだけでもいいだろう……とも。 「んっ」 それにキラは小さく頷いた。そして、おそるおそると言った様子でいわれたとおりの行動を取ってくる。 その指に自分のそれを絡めるように、アスランもまた自分たちの中心で高ぶっているものを掌に包み込む。 そして、そのままゆっくりと腰を揺らし始めた。 「あっ……あぁっ……」 「……んっ」 お互いのそれの感触で信じられないほどの快感が体の中を駆けめぐる。 自分だけではなく、キラも同じ気持ちでいて欲しい。 そう思いながら、アスランは指でも刺激を加え始めた。同時に、キラの頬や額にキスの雨を降らせる。 そのままゆっくりとキスの位置を唇の方へと移動させていった。 「アスラン」 もっと……とキラが囁いてくる。 「うん……一緒にイこう」 この言葉と共に、アスランはさらに刺激を強めていく。 そして、そのまま快感という名の階段を一気に駆け上がると、キラと共にそこから飛び降りた…… と言うわけで、久々のそのシーンです。裏に回すほどじゃない、と思うので隠し、にしました(^_^; |