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やはりと言うべきか。 こちらの勝利で終わったらしい。 問題は、あれの存在をどうやってカガリ達に伝えるか、だ。きっと、そのあたりのことは既に考えてあるのだろうが、と思う。 「きっとギルさんが」 キラはぼそっと呟く。 「デュランダル様がどうかなさいまして？」 即座にラクスがつっこんでくる。それだけではない。デュランダルの名前に反応したらしいレイまでもが視線を向けてきた。 「これから忙しいだろうなって思っただけ。隊長は面倒くさがって後始末を丸投げしそうだから」 とっさにこう言い返す。 「……ラウなら、あり得ますね……」 二人の性格をよく知っているからか。レイは直ぐに頷いて見せた。 「そうなのか？」 何でもきちんとやりそうだったが、とカガリが言う。 「必要なことならね。でも、海賊行為をした人がプラントの人間とは限らないでしょう？」 籍のある国の警察と折衝をしなければいけない。その時間が彼にあるかどうか。キラはそう説明をする。 「最悪、地球連合、と言う可能性もあるんだし」 そんなところとザフトの一隊長が話し合えるはずがないだろう。そう付け加えれば、カガリもとりあえず納得したようだ。 「そうだな。オーブなら、私でも何とか出来るが……地球連合ではな」 まして、このような状況だ。下手な火種は作らない方がいいか。そう言って彼女も頷く。 「まぁ、デュランダル様なら、おまかせしても問題はありませんわ」 ラクスもそう言って微笑む。 「そうなんだが、ちょっと厄介なことになったぞ」 まるでそのタイミングを待っていたかのように、カナードが姿を現す。 「と言うわけで、皆を呼んでこい、だそうだ」 その厄介の状況を目の当たりにした方がいいだろう。彼はそうも続ける。 「……何があったのですか？」 それに、キラは聞き返した。 「来ればわかる。とくに、カガリが」 そう言ってカナードは笑う。そうしていると、悪者のように見えるのは、キラの錯覚ではないのではないか。 「私？」 「そう。楽しめるぞ」 色々な意味で、と彼はカガリに向かって言う。 「……よくわからないが……兄さんがそう言うなら、そうなんだろう」 気分転換になるようなことならばいいのだが。そう彼女は続けた。 「十分なるぞ」 それは約束してやる。そう言ってカナードはきびすを返す。 「何をさせる気なんだか」 そんな彼の背中を見つめながら、カガリが首をかしげた。 「……ひょっとして、海賊がオーブ関係者だったりして……」 キラが苦笑と共に告げる。 「まさか……」 カガリは即座にこう言い返す。 「でも……地球連合よりの人たちもいるでしょう？」 その人達なら、あり得るかもしれない。あるいは、カガリが目的だったのではないか。 「ふぅん……だとするなら、セイラン関係者か」 なら、確かに憂さ晴らしの相手に丁度いいよな……と彼女は笑う。 「八つ当たりをしても問題はない」 その言葉に、キラは思わず苦笑を浮かべた。 「ほどほどになさってくださいね」 少なくとも、他の兵士達の前では……とラクスは注意の言葉を口にする。 「わかっている」 その言葉が裏切られたのは、それから直ぐだった。 |