本当に、ある意味そうそうたるメンバーが目の前には並んでいる。現在、子供を持っている最高評議会議員の半数の子女がここにいるのだ。
「御邪魔いたします」
 にっこりと微笑みながらそう告げる姿は、天使のようという表現がしっくりと来るのではないか。だが、明らかに作っているものだとわかるのは、本当の天使の微笑みを知っているからだろう。
「いらっしゃい」
 しかし、そんな感情をお子様に悟られるようなマネをするわけにはいかない。あくまでもにこやかに言葉を返す。
「キラのお友達が来てくれるのは嬉しいよ」
 しかし、いったい何が目的なのか。
 キラの友達になってくれるためならばいい。しかし、それ以外の思惑があるのであれば、阻止しなければいけないだろう。
 そう考えれば、ラクスとルナマリアは除外してもいいのだろうか。
「後は、レイもお友達を連れてきてくれればいいのだがね」
 そうすれば、少しはにぎやかになるだろう。そう言ってギルバートは微笑みを彼へと向ける。
「ぼくは……ねえさんがいてくれれば、それでいいです」
 想像通りと言っていいのだろうか。そんなセリフを彼は口にした。
「あらあら。それでは、キラはお友達の所に泊まりにもいけませんのね」
 パジャマパーティというものを一度やってみたかったのだが。そう言ってきたのはラクスだ。
「楽しいですよ。今度、よければご一緒しましょうか」
 もっとも、自分の家は凄く狭いですけど……とルナマリアが口を開く。
「その時は、ここを使ってくれても構わないよ。客間も空いているしね」
 キラが望むなら、とギルバートは告げた。
「ギルさん」
 それに、キラが嬉しそうに微笑む。
 この微笑みが見られるなら、その位はおやすいご用だ。そんなことも考えてしまう。
「その時は、僕も参加させてください」
「僕も、ご一緒したいです」
 即座に男性陣も口を挟んでくる。
「あら。パジャマパーティは女性だけで行うものですのよ?」
「男の子は男の子だけでやりなさい」
 当然、キラはこっち……といいながら、ルナマリアがキラを自分の方に引っ張った。
「ルナ……」
「キラも、女の子同士の方がいいわよね」
 困ったような表情を浮かべるキラに彼女はこう問いかけている。
「うん」
 それに、キラも小さく頷いて見せた。
「家族以外の男の人と、一緒にベッドに入るものじゃないって、ラウ兄さんが言ってたし」
 だから、レイやラウと一緒に寝るのはいいのだ。でも、他の人とはダメなんだよ……とキラはおずおずとした口調で告げた。
 当然、アスランとニコルは衝撃を隠せない。そう言うところは、まだまだオコサマだな、と心の中で呟いた。
「ともかく、いつまでも立ち話はなんだからね。リビングに移動しなさい」
 その後で、キラの部屋に行くなら行った方がいいだろう。そう提案をする。
「そうですね」
 キラも彼の言葉に頷いて見せた。
「レイも一緒に行く?」
 そのまま、彼女はギルバートの隣にいる彼に声をかける。
「御邪魔でなければ、そうさせてください」
 待っていた、とばかりにレイはこういった。
「構わないよね?」
 それに頷いてみせると、キラは友人達に問いかける。
「もちろんですわ」
 キラの弟であれば、顔見知りになっておきたい。そう言う言葉の裏に、いったいどのような感情がこめられているのか。
 やはり、一番侮れないのは彼女かもしれない。
 ギルバートは改めてそう認識した。







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