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「……それで、どうしますの？」 ラクスがこう問いかけてくる。 「そうだな」 それにカガリは一瞬だけ考え込むような表情を作った。 「とりあえず、会ってみるしかないだろう」 いったい何を考えているのか。それを確認しなければ多王のしようがないだろう、と彼女は続ける。 「危険だと言うことはわかっているな？」 確認するようにバルトフェルドが問いかけた。 「もちろんだ。だが、今回は危険を承知で確認しないと前に進めない」 違うのか、と彼女は逆に聞き返す。 「わかっているならいい」 理解しないままつっこまれてはフォローのしようがないからな、と彼は笑う。 「とりあえず、キラと一緒に行く。隊長は近くで待機していてくれ」 万が一のことを考えて、ラクスはアークエンジェルで待っていて欲しい。カガリはそうも続けた。 「わたくしも同席した方がよいかと思いますが？」 それが納得できなかったのだろう。ラクスがこう言ってくる。 「いや……私たちだけならば、万が一の時でも何とかなる」 しかし、ラクスを守って撤退できるかどうかの自信がない。だから、とカガリはいう。 「……ごめん。僕が……」 生身の人間を攻撃できないから、とキラは小さな声で告げる。 「お前の場合、それでいいんだろうがな。こういうときにはちょっと困るか」 苦笑と共にバルトフェルドが言葉を口にした。 「でも、そう言うキラ君だからみんなが協力しているのよ」 だから、キラはそのままでいいのだ。マリューもそう言って微笑む。 「まぁ、今回はあきらめろ。キラかカガリに通信機を持たせて、それで状況を把握すればいいだろう」 自分もラクスまでフォローしきれない、とバルトフェルドが口にした。 「……わかりました」 仕方がないだろう、とラクスは頷く。 「そう言うことだからな。二人とも、通信機を手放すな」 もし、二人が別々に逃げなければいけなくなったときにフォローするためにも……とバルトフェルドは言った。 「わかっています」 相手の出方がわからない以上、万全の体勢を取っていかなければいけない。自分はカガリを守らなければいけないのだから、とキラは頷いてみせる。 「……逆だろう。私がお前を守るんだって」 白兵戦なら、自分の方が強い。 カガリはそう言うと、思い切りキラの背中を叩いた。 「痛いよ、カガリ」 もう少し手加減してよ、と言い返してしまう。 「何を言っているんだ。男のくせに」 カガリが即座に言い返してくる。 「……それは関係ないと思うけど……」 男とか女とか、とキラはぶつぶつと呟く。 「ともかく、行くなら、さっさと準備をしないといけないだろうが」 じゃれ合うなら、後でしておけ……とバルトフェルドがいう。 「あちらにも返信しないわけにはいきませんものね」 マリューも頷いてみせる。 「その時には、アスランの同行禁止、と伝えてくださいませ」 一番厄介なのは彼だろう。それに、自分が彼の声を聞きたくないのだ、とラクスが告げた。 「あぁ。声云々は別にして、暴走してくれそうだからな。確かに」 そうなると、話し合いにならない可能性になる。だから、アスラン同行禁止と言うことは賛成だな……とバルトフェルドも頷く。 「アスランって、みんなにどう思われているわけ？」 キラは思わずこう呟く。 「今見たとおりだろう」 それに、カガリがきっぱりと言い切る。 「……仕方がないのかな？」 小さくため息をつくことしかできないキラだった。 |