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「……なるほど……あれはあくまで中継器だ、ということだな？」 キラの話を聞いたイザークはそう言って頷く。 「そう。もっとも、僕が知っている技術が流用されていれば、だけど」 「いや、その可能性は高いだろうね」 ラウがきっぱりとそう言いきる。 「本体が別にあるとすれば、中継器の位置を変えただけでどこでもねらえる。連中にしてみればそれ以上都合のいいことはないだろう」 それを使って、自分たちに有利な状況を作り出すことが出来るかもしれない。 それどころか、再び世界を支配できるのではないか。そう考えたとしてもおかしくないだろう。ラウはそう言う。 「何よりも、自分が直接手を下さなくて構わないからね、あれは」 この言葉に、キラは癒やそうに顔をしかめる。 「そういや、前も似たような武器を使っていたな、連中は」 地球で、とディアッカは口にした。 「そう言えば、そうだな」 あの時、キラが来なければどうなっていたか。イザークもそう言って頷く。 「どちらにしろ、そこにジプリールがいる可能性が高い、ということか」 すぐに調べさせよう、と彼はさらに言葉を続けた。 「あれだけ大きな施設があるんだ。すぐに見つかると思うけどな」 持って逃げるわけにはいかないんだし、とディアッカが笑う。 「そうだね」 確かに、あれだけの出力を得なければいけないのだ。基地も大きなものになっているはず。オーブ軍とザフトが全力を挙げて探索すれば見つかるだろう。 しかし、だ。 「……それをおとりにして自分だけ逃げると言うことがなければいいんだけど」 セイランに対する行動を見ていればないとは言い切れない。そう考えてしまう。 「大丈夫だって。その時はその時で、追いかければいいだけのことだ」 現在の状況で、誰にも知られず逃げることは不可能だ。ディアッカがそう言いながらキラの背中を叩いてくる。 「そうだな。今なら、シャトル一隻だろうと逃がさない」 そして、ジプリールにノーマルスーツだけで宇宙空間を移動するような真似が出来るはずはないだろう。イザークもそう言った。 「逃げるときは、間違いなく一個艦隊を率い手だろうね、あの男の性格を考えれば」 さらにラウがこう告げる。 「だから、逃すことはない。後は……あの男が無駄な抵抗をしなければいいだけだが……」 その可能性がないことは皆知っていた。 「……そうですね……」 大人しく投稿してくれればいいのに、とキラは呟く。 「話し合いはここまでなら、我々は戻った方がいいね」 そう言いながら、ラウはそっとキラの肩に手を置いた。 「いい加減、みんなが心配しているだろうしね」 特にラクスが、と彼は続ける。 「……大丈夫だと思いますけど？」 一応、連絡は入れてあるし……とキラは言い返す。 「アスランもいないしな」 ディアッカが笑いながら言った。 「そう言う問題ではないだろうが！」 何を考えている、貴様は！ と即座にイザークが彼を怒鳴りつける。 「いや……一番心配されているのがそれかな、って思っただけなんだけど」 アスランの奴があれこれバカをやっていたらしいとミリアリアから聞いたから……とディアッカは言い返す。 「そうなのか？」 「そうなんだよ。まぁ、ザフトに引っ張り込んだのは俺らだから、責任の一端はあるのかもしれないけどな」 放っておけば、プラントで腐っていたかもしれないし……と彼は続ける。 「だが、あいつは一応優秀だからな」 腐らせるのはもったいない、と二人で結論を出しただろうが！ とイザークが言う。それにディアッカは「はいはい」となだめるような仕草を見せた。 「本当に仲がいいね、二人とも」 だから、ミリアリアが妬いたのか……とキラは納得する。 「でも、女の子にはもてないよね、それだと」 思わずこう呟いてしまう。 「キラ、それはないだろう！」 俺はまだ、ミリアリアのことを諦めていないんだ！ とディアッカは叫んだ。 |