「アスラン、やっ!」
 アスランの手が後ろに触れた瞬間、キラがこう叫ぶ。
「そんなこと、されてない!」
 思いもしなかったセリフに、アスランの手が止まった。
「されてない?」
 まさか、とキラは思う。キラや彼の言葉を総合すれば、そう言う関係になっていたはずなのだ、二人は。それなのに、キラはそこに触れられたことはない、と言う。そして、実際に指先に触れるそこはきついくらいに閉じたままだ。
 と言うことは、間違いなく誰もここには触れていないと言うことだろう。
「なら、俺が教えてあげるよ……だから、俺を受け入れて……」
 ねっ、と囁きながら、アスランはキラの頬にキスを落とす。
「……でも……」
「そうするのは俺だよ? それでもいや?」
 お願いだから、拒まないで……とアスランはキラの肌にさらにキスの雨を降らせた。
 キラだけがいてくれればいいから……とその合間にアスランは囁く。
 その瞬間だった。
「……アスラン……」
 キラの表情が泣き出す一瞬手前のように歪んだ。それでもアスランの腕の中からは逃げ出そうとしない。
「何?」
 そんなキラに、アスランは自分の劣情を必死に押し殺すと微笑みかけた。
「大好き……」
 こう囁きながら、キラはアスランの首筋に腕を絡めてくる。
「愛しているよ、キラ」
 アスランはこう囁き返すと、ゆっくりと行為を再開した。それは、キラを驚かせないように少しずつ少しずつ進めていく。
 それでも、離れていた時間に比べれば些細なものだ。
 こう考えれば、不思議と穏やかに事を進めることが出来る。
 自分だけの都合を押しつけても意味はない。
 二人で気持ちよくならなければ……
「キラ……」
 アスランはその思いのまま、キラの唇に自分のそれを重ねていった……





INDEX

フラガさんは最後までしていなかった……と言うべきか、それともアスランのためにとっておいてやった、と言うべきか。
この後の騒ぎはみなさまのご想像にお任せします(苦笑)