一応終戦後……レイが生き残っていたり、ラクスとシンとルナマリアとメイリンがアークエンジェルに乗り込んでいたりしますが、そう言うことですので(苦笑)

会話



「……あのな」
 何事かを悩んでいたらしいアスランが、諦めたようにこう声をかけてくる。
「何?」
 そんな彼の百面相を見つめていたキラが、何気なく聞き返した。
「受け受けしい、ってどういう意味だ?」
 しかし、それもアスランの言葉を聞くまでだ。
「アスラン?」
 いきなり何を言い出すんだ……とキラは思う。
 ただでさえ、終戦のごたごたで皆が疲れ切っているというのに……と。
「いや……さっきな。ミリアリアとルナマリアとメイリンが、俺のことをそう言っていたんだ」
 だから、どういう意味なのかと思って……とアスランが付け加えた瞬間、あちらこちらでむせた後のような咳が響いてくる。いや、キラだって、飲み物を飲んでいれば同じような状況になっただろう。
「それは……」
 しかし、何と答えればいいものか。
 それ以前に、何でそんな会話を……と彼女たちを恨みたくなってしまう。
 多分、戦争が終わった気のゆるみと、ようやく再会できた姉妹の会話にミリアリアが加わった……と言うところなのだろうが。
「簡単ですわ!」
 こういう時にはかならず出てくる相手の声を聞いて、キラは思わず頭を抱えたくなった。
「……ラクス?」
 いいのか、とアスランはまじめに問いかけている。
「私にも、気分転換は必要ですもの」
 それに、プラントの混乱が収まらない以上、下手に手を出せないのだ……と彼女はさらりと付け加えた。
「……それなら、部屋に行って休んでいれば?」
 ともかく、アスランにその事実を伝えることだけは阻止したいのだが……と思いながら、キラはこう言葉を投げかける。
「でも、いつ何時、カガリから連絡があるかわかりませんもの」
 事態もどうなるのかわからないから……と口にしながら、ラクスはキラの隣に腰を下ろしてくる。
「それで、話を戻しますわね」
 戻さなくていい……とキラは本気で思う。
「受け受けしいとは、受けみたいだ、と言うことですわ」
 さらに笑みを深めるとラクスはこう言った。そんな彼女のおしりにとがったしっぽが見えるのはキラの錯覚だろうか。
「……受け……」
「要するに、男同士でむつみ合うとき、主にされる側の方ですわ」
 アスランとキラの場合は、キラですわね……と言う彼女に、さすがのアスランも絶句している。
「最近のアスランは、でも、そう言われても仕方がないと思いますわよ」
 しかも、しっかりととどめを刺すラクスは、実は彼の行動を怒っていたのかもしれない。微妙な空気の中で、キラはそんなことを考えていた。

「……アスラン……」
 少し離れた場所からそんな彼を見つめていたシンが、ぼそっと呟く。
「シン」
 そんな彼の耳に、レイの声が届いた。
「アスランはお前にやる。だから、キラさんには手を出すな」
「レイ……」
「……俺を連れ出したのはあの人だ……だから……責任を取ってもらう」
 それにはアスランが邪魔だしな、と口にするレイは、どこか壊れているような気がしてならない。しかし、間違いなく利害は一致しているのではないかとシンは思う。
「わかった」
 お互いがんばろうな……と言えば、レイも頷いた。
「あぁ、でも」
 しかし、すぐに何かを思いついた……というように呟く。
「何だ?」
「……四人でやっても、楽しいかもしれないな」
 だから何を……とシンは思う。しかし、レイの瞳はあくまでも本気だ。
「……レイ?」
「もっとも、その前に、ちゃんと相手の心を手に入れなければいけないが」
 体だけなら簡単なんだが……というレイは、やはり壊れているのかもしれない。少しだけ、彼に本気になられたキラが哀れに思えたのは間違いなく錯覚だろう。シンはそう考えることにした。

「何だ〜〜! 楽しそうな話題だな」
 記憶を取り戻したフラガまでもがこう言って近づいてくる。
 ひょっとして、自分たちはただの娯楽の対象なのだろうか。
 さっさとここから逃げ出したいと思ってしまうキラだった。


ちゃんちゃん
05.11.08 up



 ただの気の迷いです〜〜〜(苦笑)