二度目の会見は、ディオキアから離れた小島で行われた。
「……やっぱり、来たか……」
 アスラン、とカガリがいやそうな表情で呟く。
「申し訳ない、姫。今回ばかりは同行を拒めなくてね」
 代わりに、監視役を一人追加することになったが、許して欲しい。デュランダルは苦笑と共にそう付け加える。
「そのちゃらい奴か?」
「カガリ」
 いくらなんでも失礼だろう、とキラが彼女を咎める。
「これでも、前の対戦を生き抜いた数少ない人材でね」
 外見に関してはご容赦を、とデュランダルが続ければ彼は『それはないでしょう』と呟いたのがわかった。
「まぁ、いい。アスランの暴走さえ止めてくれるならな」
 結局、結論はそれなのか。最初からわかっていたことだが、とキラは小さなため息をつく。
 それが気に入らなかったのだろう。
「そもそも、お前達がオーブから出てこなければ俺だってこんなに暴走しなかったぞ!」
 安全な場所に何故いなかった! とアスランが叫ぶ。詰め寄ってこないのはシンとレイ、それにもう一人が全力で止めているからだろう。
「第一、あれはなんだ? 戦場にのこのこ出てきて混乱させるようなことをして!」
 言われるとは思ったが、実際に投げつけられるときついな……とキラは心の中で呟く。
「……もう、誰にも死んで欲しくなかったから……」
 だから、と言い返す。
「今更、きれい事を!」
 しかし、それはアスランの怒りを駆り立てるだけだったらしい。
「お前の手だって、とっくに汚れているんだぞ!」
 確かに、この手で奪った命も多数ある。救えなかった命ものだ。
「……わかっているよ、アスラン……でも……」
 それでも何とか彼に理解して貰おうと口を開こうとする。だが、それよりも早く、鈍い破裂音が周囲に響いた。
「他の誰が言ったとしても口を出しちゃいけないとわかっているんだけど、さ! あんたの口からだけは絶対に言っちゃいけない言葉だよな、今のは」
 股間を押さえてうずくまろうとしている彼の頭にシンが怒鳴りつけている。
「……言っていることは同意だが……男としては、少し同情するな……」
「自業自得だろう」
 バルトフェルドの言葉をカガリがあっさりと切り捨てた。
「確かに」
 苦笑と共にバルトフェルドは頷いてみせる。そんな彼が何かに気がついたかのように通信機を取り出す。そして片手で合図を送ると少し離れた場所に移動していくのが見えた。
「あいつがやらなきゃ、私がやっていたな」
 その間にも、さらにカガリが怖いセリフを口にしてくれる。
「……そこまでにしておいてあげて」
 そんなことになれば、アスランは二度と立ち直れないのではないか。
「そうだな。それよりももっと怖いことが待っているようだし」
 通信を終えたらしいバルトフェルドが苦笑と共に戻ってくる。
「バルトフェルド隊長?」
 どうかしたのか? とカガリが問いかけた。
「すまないが、アスランに直々文句を言ってやらないと気が済まないという方がいらしてね」
 苦笑と共に彼は続ける。
「その方がこちらとしても話を進めやすいと思いますね」
 なので連れて行って貰って構わない。デュランダルはそう言って微笑む。
「そう言うことだからね、ハイネ。すまないが……」
「了解です」
 連れて行けばいいのでしょう、と笑いながら彼は頷いてみせる。
「じゃ、すまないが協力して貰おう」
 言葉とともにバルトフェルドはアスランの方へと歩み寄った。
「まったく……言っていいことと悪いことに区別ぐらい、いい加減、つけるんだな」
 キラが戦争に巻き込まれたことに関しては、アスランには何も言う権利はない。そうだろう? といいながら、バルトフェルドはアスランの耳を掴む。
「では、話し合いを再開させましょうか」
 それを見送りながらデュランダルがこう言ってくる。
「そうだな」
 カガリが即座に頷いて見せた。



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